『やばい・・・』
『あの店に納品する時間に間に合わん・・・』
『担当の店長が激怒する・・・』
『今月のノルマ・・・足りん。』
『げっ 係長に叱られる・・・』
『あと100kgで達成だにか~に・・・』
『ど~したろか?』
『あそこの社長買ってごすかいな?』
『ど~したら買ってくれるかいな?』
『褒め殺しの作戦したろか?』
『それとも頭を下げて買ってもらうか?』
『あらっ…注文の品・・・積み忘れた。』
『あそことあそこで商談して・・・』
『なんとかして・・・ノルマだけは・・・』
『ぜったいにいかせんといけん・・・』
『う~~~ん・・・』
『いけるか?』
『ダメか?』
ハッ と目が覚めた・・・
よかった・・・夢で・・・。
不思議なもんだな・・・
ワシがサラリ~マンの頃の毎日である・・・
あれから何十年も経っとるのに・・・
未だに見る。
内容はちぐはぐだけど・・・
見る夢はいつも切羽詰まった状況の時の夢。
あの頃・・・
数字に追われる毎日・・・
帰る時間は・・・10時11時は当たり前・・・
ギフトシ~ズンは連日深夜だったわ・・・
この世界・・・
数字がすべての世界だったな・・・
自分の意見を堂々と言えるのは・・・
ノルマ達成者のみ・・・
ノルマがいかなければ・・・
めそくそ・・・
なんも言えんだったわ・・・。
毎月ノルマをクリアできん営業マンは・・・
月末になると・・・
『もぅ一回・・・営業に行って来~い』って・・・
もぅどこの店も閉店しとる時間なのに出させられとったわな・・・
それはそれは・・・
きびしかったのである。
ワシは言うべきことは言いたかった・・・
それはたとえ上司であっても同じこと・・・。
そのためには・・・ノルマ達成が絶対条件・・・
そこでノルマ達成に全力をつくしたな・・・
営業所の壁には・・・営業成績がグラフにして貼り出されとって・・・
月々のノルマ達成者にはちっちゃい造花のバラがつけられとったな・・・
けしていっつも達成しとったわけじゃないけど・・・
なんとか意見を言わせてもらえるくらいの成績はキ~プできとったと思う・・・
そんで遠慮なく所長に偉そうに文句言っとったわ・・・
上司からしたら使いずらい部下だったにちがいない・・・。
そんなころの毎日が・・・
夢にでてくる。
不思議なことに・・・
この世界・・・
けしてキライじゃなかった。
その世界で学んだこと・・・
『結果を出してからしゃべれ』
山崎係長・・・
元気かな?
あのかすれ声は健在かな?
会いて~な。